サマリ
以下の観点で仮想基盤の性能を実施。
・ベアメタル(物理)との差異
・ハイパースレッディング有無
・vSphereバージョンによる差異(7.0/8.0)
結果…
・仮想化しても、物理CPUと同等の性能が出る。
(シングル:2~5%劣化、マルチ:ほぼ劣化なし)
・「同時処理数(100%負荷) > 物理コア数」性能劣化が顕著になる。
検証環境
検証機 | Lenovo ThinkCentre M70q Tiny |
CPU | Intel core i3-10100T(3.1GHz) |
仮想マシン | HT無:4コア×1CPU HT有:8コア×1CPU |
計測ソフト | CinebenchR23 |
最低計測時間 | 10min ※温度上昇を加味して10分以上継続 |
性能結果表
対象 | シングル ※1 | シングル 対比:① | シングル 対比:② | マルチ※1、2 (コア当たり性能) | 1コア当たり の性能※3 | マルチ 対比:① | マルチ 対比:② |
---|---|---|---|---|---|---|---|
①物理/HT無/Win10 | 973 | - | -1.2% | 3554 | 888相当 (-9%) | - | -20.4% |
②物理/HT有/Win10 | 985 | +1.2% | - | 4464 | 558相当 (-43%) | +25.6% | - |
③仮想/HT無/ESXi7.0 | 942 | -3.2% | -4.4% | 3628 | 907相当 (-4%) | +2.1% | -18.7% |
④仮想/HT有/ESXi7.0 | 931 | -4.3% | -5.5% | 4656 | 582相当 (-37%) | +31% | 4.3% |
⑤仮想/HT無/ESXi8.0 | 956 | -1.7% | -2.9% | 3616 | 904相当 (-5%) | +1.7% | -19% |
⑥仮想/HT有/ESXi8.0 | 950 | -2.4% | -3.6% | 4664 | 583相当 (-39%) | +31% | 4.5% |
※1 同一条件で計測しても、1~2%程度のスコア変動はあるため、精度は低め。
※2 仮想の数値は、ESXiの動作分のロスがあり、厳密な比較ではない。
※3全コア、全スレッドをフル活用している状態での疑似的なシングル性能値。
「疑似的なシングル性能値」 = マルチスコア ÷ (コア数、スレッド数)
結果サマリ
・ハイパースレッディング有無でシングル性能は、ほぼ差なし。(①②シングル比較)
・仮想化してもシングル性能は、物理とほぼ差なし。(①②シングル比較)
・マルチコアCPUは、ハイパースレッディング無効だとマルチ性能低い。(①②のマルチ比較)
・WindowsよりESXiの方がマルチコアの扱いが上手いかも。(②④⑥のマルチ比較)
・ESXi7-ESXi8間では若干ESXi8の方が性能出ているが誤差程度。(④⑥比較)
・フルコア利用している場合、コア性能は、シングルから4割程度低下する。(②④⑥比較)
考察
仮想化することによる性能劣化はほぼない。
仮想化するからには複数のサーバを集約してリソースを効率よく使いたいが、
オーバコミットを活用して集約率を高める場合、性能面では下記の点を考慮すべき。
業種やサーバ特性等々によってどの程度オーバコミットを許容するかが腕の見せ所か。
条件(ハイパースレッディング有) | シングル性能比※ | 劣化※ | 状態 |
---|---|---|---|
同時処理数(100%負荷)≦物理コア数 | 90~100% | 0~10%未満 | (物理同等) |
同時処理数(100%負荷)>物理コア数 同時処理数(100%負荷)<(物理コア数*2) | 57~90% | 10~43%未満 | (物理同等) |
同時処理数(100%負荷)>(物理コア数*2) | ~57% | 43%以上 | 劣化顕著 オーバコミット状態 |
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(後に記載予定)
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